あたしと寮と狼先輩。
『ずるいとかじゃないですから!』
「遥はいいのに俺はだめなの?」
突然しゅんとした顔であたしを見つめる楓先輩。
うっ…………
その顔は反則だろ…………
『〜〜〜ッ!そういうわけじゃなくてですね…』
「なら一緒に寝てもいいでしょ?」
そんなキラキラした目であたしのことを見ないで下さい………
ほんとあざといよこの人は。
『もー…勝手にしてください!そして早く出てってください!!!』
楓先輩の手を引いて、部屋の外に追い出した。
これ以上ここにいられると何されるかわからない。
「凛ちゃん怒らないでー?」
『怒ってないです!』
さっきと立場が逆転してることに気づいた。
まあ怒ってるわけじゃないんです、ただどうしたらいいかわからないだけです。
バタンとドアを閉めたあたしはその場に座り込んだ。
『ほんっと…心臓持たないって』