あたしと寮と狼先輩。
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『…、はあ………』
あの大雨の日から数日経った。
あたしたちの関係に何か変化が訪れるわけもなく…
桐原先輩は部屋の前で会っても何も言わずいなくなるし、楓先輩は前よりもスキンシップが増えた気がする。
2人の態度は変わってないけど、それでもあたしはこないだの出来事のせいでなんかもやもやするし。
あんなのただの気まぐれだったことぐらいわかってるよ。
あたしなんかにわざわざ構うなんて先輩達は相当暇だったんだろう。
…あーもう!!!!
あたしばっかり気にして馬鹿みたい!
『んぅー………』
でもやっぱりもやもやする…
あんな優しい桐原先輩も、
あんな真面目な楓先輩も、
初めて見たから。
まあ一緒に過ごしてまだ1ヶ月も経ってないんだけどさ。
それでも先輩達の初めて見た一面にドキッとしたのは事実で………
『………はあ』
「お前は百面相か」
『…うわっ…!け、圭どうしたの…』
溜息のあとに出たのは驚きの声で。
前の席に座っている圭がじーっとあたしの顔を見ていたのだ。
「さっきから溜息ばっかうるせえんだけど………」
と言う圭も、はあ…と溜息をついた。
なんだ、人のこと言えないじゃん。
「あのなあ、自分が何回溜息ついてるかわかってんのか?」
圭、あたしの心の声わかったの?!
なにこいつエスパーか?!