あたしと寮と狼先輩。





『そう、ですよね。すみません…

雨降ってるので気をつけてくださいね』



これ以上話したら先輩の気分を害するかもしれないし、早く行こう。

ぺこりとお辞儀をして、歩き出したときだった。





ゴロゴロゴロ………


ビクンッ!!!

聞こえてきた音に、自然と体が反応してしまった。

や、やばい。
今のって…………




「おい、どうした?」


『な、なんでもないです!さよなら!』





声をかけてくれた先輩を背に、小走りで食堂に向かった。





今の、雷…だよね?

どどどどうしよう………!!!



あたし、雷が大の苦手なんです。
嫌いとかじゃなくてトラウマレベルで。




小さい頃、1人で留守番をしてたときに近所に雷が落ちたことがあって。

そのとき突然停電しちゃって、部屋は真っ暗だし家にはあたししかいないしですごく怖かった記憶がある。

それ以来雷の音を聞くだけでも体が反応するようになった。



あー………

雨の日は出来るだけ1人でいないようにしてたんだけどな。

ここ寮だし、周り先輩しかいないし、誰にも言えないよこんなこと………









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