天使の贈り物 





……大丈夫……。





何言ってるの?





その言葉は……
私自身を安心させるための呪文?






二人の時間。


互いの温もりを感じられる
その瞬間だけが、
ほんの少し、心を満たしてくれる
麻薬みたいで……。




そんな温もりに、
しがみつくように溺れて行った。





7.知りたい


ねぇ、そーすけさん……。


私たちの関係って、
どういう関係?



私は……貴方の傍に居たい。

貴方の隣を歩いていたい。



だけど……
知らなすぎるよ……。



恋人同士だと胸をはって言い切れるほど
私は、貴方のことを何も知らない。



だからって……やり友って言う
そう言う関係も、惨めすぎて。



貴方のことが……
もっと知りたいよ。



そーすけさんとの時間を重ねれば重ねるほど、
私は貴方に惹かれていく。


惹かれていくのに……
虚しくなるの。


悲しくなるの。


私は貴方のことを何も知らないから……。




貴方はいつも、何かを装うように
微笑みかけてくれる。


だけどそれは……
無理してるような気がして。



時折、垣間見る……
切なげなその貌が……
本当のそーすけさん。



そして……そーすけさんに、
そんな貌をさせるのは……
みくさんと言う……
あの地震の日、
命を失ったという元カノ。




ねぇ……
その命を失ってまで、
どうして……、
そーすけさんを縛り付けるの?

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