天使の贈り物 




「みくさんには……
 お参りしなくて良かったの?」



気になって紡いだことばに、
そーすけさんは、悲しそうに呟いた。



「日本に居ないから……」



亡くなった彼女を連れて、
彼女の両親は、日本を離れた。


彼女の母親の故郷、
アメリカへと。




その事実を知った時、
心が悲鳴をあげた。



張り裂けそうな思いに……。






気が付いたらイルミネーションも消え、
人も少なくなってた。



精神的にどっと疲れが溜まる中、
ふらふらと駐車場へと戻り、
変わりすぎた想い出の町を離れた。





お互いの傷を抱いたままに。

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