○○彼氏。~バレンタイン編~
そして、バレンタイン当日の放課後。
・・・・・ついに、来てしまった。
あたしは着替えなんかが入った鞄をギュッと握り締めた。
「・・・・・ん」
優希が家のドアを開けて、あたしに入るよう促した。
「お、お邪魔します・・・・・」
恐る恐る中に入ると、奥の方からドタドタと誰かが走ってくる音が聞こえた。
音の方向を見ると、どことなく優希に似た雰囲気の人がいた。
「・・・・・兄貴」
ヒクっ、と優希が口元を引きつらせながらそう言った。
・・・・・って!!?
「お、お兄さん・・・・・?」
あたしがそう言うと、目の前の人はニッコリと笑った。
ゆ、優希に似た顔での笑顔っ!!!!