Dear:大切な君へ。
ジャージ姿で首に笛をかけているその人は、おそらくマネージャーだろう。
「あ、入部希望っす」
不意に、隣に立っていた蒼佑がそう言った。
「わー、今年は多いねぇ。また“二人”も入部してくれるなんて。これで12人目よ。あ、あたしマネージャーの中尾絢(ナカオアヤ)ね」
手に持っていた紙を見ながら、絢さんはそう言った。
・・・・・って待て待て待て。
二人って。
「俺は入らないです」
慌ててそう言うと、
「あら、そうなの?」
と少しだけ残念そうにして言った。