★FAN★
「約七十年も前に…、君達の知らない戦争が空の果てで勃発した。

人の時では三年も及び、最後の決戦の末に闇に纏わる神が光を消し、この世界を創造した十二もの神が消えた。消えた…というよりも封印されてしまったといった方がいいであろうのぅ。

それからというもの、魔は増大し、この大陸に【グレイス】たる…、魔を撃退する職業が作られた。いつ終わるかもわからぬ戦いに…、人々は闘いを続けた。

神の存在を知る者はいない。だが誰かが捜さねばならん。御主はそれをする運命を下されているのかもしれない。

よければ【グレイス】になってみてはいかがかな?今は五の期の二十日、そろそろ年に二度しかない試験がある。力があるならばお勧めするよ」


「話をしていだたきありがとうございます。ここからならば、どこにいけばよろしいでしょうか?」

「これを…、この大陸の地図じゃよ」


地図を指差し、現在位置を教えてもらう。試験を受けるならと、目指す場所を指差して行き道をなぞる。

その地図と、そこまでもつだろうと思われる分の食料を貰うと、試験の受け付けに余裕をもって間に合うように、介抱の御礼をして出発した。






お婆さんは若い身体に姿を変えて、顔ぐらいまで被ったフード付きのローブを来て、リオンを見送った。

「光が現れたようですね、レスク様の御導きのままに…」

景色に溶け込むように、その存在は消えていった。

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