★FAN★
リオンはその強さに驚きを感じた。まだまだ俺の強さ等、全くといって弱すぎるからだ。

メイリンは座り込んだヤンクスに駆け寄ると、リルを呼んで、治癒の魔法を唱えてもらう。


リオンはぼーっと、ただ剣を握りしめて、ヤンクスの強さに圧倒されていた。


しばらく休憩をして、体力を取り戻すと、指定された物を、灰と化したラジャスから取り出し、広間を出て来た道を戻る。



皆、今の戦いに精神疲労が強いのか、余り話さずにその道を歩いていた。

そして、出口までたどり着くと試験官が待っていて、指定された物を手渡した。


「一次試験合格おめでとうございます。これを指定されていたとは…、不運といえば不運なのでしょうか。

まぁ、合格できたのでどうでもよいことでありましょうけど…。

それでは、明後日のまた同刻に、集合して来て下さい」



試験が終わって気が抜けると、皆飯を食べようと食堂に集まり、多少話しながら飯が来るのを待っていた。


「なぁ…、ヤンクス。あの雷形態というか…、能力は何をしてああなったんだ?」

「うんとまぁ、秘められた力を解放するというかなんというか…。

心にかけられた鍵を開けることで得る力と俺は教えられたからな」

「心の…鍵?」

「そう、人には生命を維持するために、最大顕現の力を封印されているんだ。神の力によって。

その力は知らない人間は覚醒と呼んで、相当な技の力を得る。もちろん、身体能力も向上する。

だけど、下手したら命に関わる能力だから、知っていても扱う人間は少ない。俺も鍛練したからこそ、普通に使っているが…」


ヤンクスはまだ、力の解明はされていないために、これはまだ推測にしかすぎないとは思うがなと付け加える。

用は試しということで、明日やってみるかと、リオンはヤンクスに修練をする約束をした。まぁ、チーム行動なのだ。リルとメイリンも付いてくることになるであろう。


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