★FAN★
一時試験合格のメンバーが集まる闘技の場。ざっとみて二百と少しといったところだ。

常連はやはり、当たり前に出て来る。それに…、少数のメンバーは重圧が違う。素人にはわからない気の質。ただならぬ何かを感じる。



「おはようございます。休息はしっかりととりましたかな?特訓をしているところも有りましたが。

二次試験は簡単に見えてかなり危険なものなので注意してください。では説明を始めましょう。

二次試験では、渡された紙に書いてある依頼を熟していただきます。

やはりグレイスとなれば、各地に設けられたギルドにはたくさんの依頼が寄せられます。討伐から採取といった様々なね。

依頼を熟す技量がなければ話にもなりません。合格条件はわかる通り、依頼の達成。場所によっては時間が掛かりますので二日を期間与えます。

それでは無事を祈ります」




出るときにチーム事に渡される一つの紙。難易度はあまり変わらないだろうが、順番は苦楽を左右するはずだ。


リオン達に渡された依頼は討伐内容。【エング】と言われる石から発生した魔物。帽子を被り角を生やした小柄な魔物だ。

討伐数は十匹と少なくは見えたが、証明するものを持ち帰る必要があるため、大量発生の場合、剥ぎ取る前に消滅してしまいそうだ。

場所は帝都から少し離れた深き森。準備を整え、昼過ぎに帝都を発つと、森に着く頃は、陽が隠れる頃であった。

四人は足を踏み入れると、深き森の暗さが恐怖心を引き立て、リルはもうメイリンに引っ付いて歩いている。

太陽の光は昇っていたとしても射すことはないだろう。奥に進に連れ、霧が空を漂い、徐々にそれは濃度を増していく。


「離れるなよ、三人とも。見失えばばらばらに別れるからな」




うっすらと見える姿を、周りを警戒しながらも確実に捕らえ付いて行く。


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