悪魔ニ花束ヲ
―――――「ドブスちゃん、何してんの?」
低い声、聞き慣れてしまったアクセントにその横柄過ぎる単語。
「…奇遇ですね」
運命を呪ってくれ。
「こんなとこで何してるのか聞いてるんだけど?耳まで悪くなっちゃった?」
目の前の端正な顔立ちはまるで想像もつかない様な霊圧を放つ。やっぱりあなたは魔王ですか。
「た、頼まれたのです。次の授業で使う標本を」
来たくて来た訳ではないのです。と必死に目で訴えるも、
「へぇ。そんなに俺に会いたかった?」
なんて、場違いな発言を。