きっと、飛べる
助ける
ー現在

私の目の前で生徒が自殺しようとしている。

どうすれば…

どうすれば、私はこの子を救える?


教師が生徒に説得を始めた。

『こんなこと、やめるんだ!』
生徒は答える。
『私なんか!私なんか、必要ない人間なんだ!だったら死にたい!クラスのみんなにいじめられる気持ちが分からないでしょ?だから、死ぬのよ!』

あれ…?
この光景なんかみたこと…

すると、私の体が勝手に動いた。
生徒の頬をはたいて、こう叫んだ。

『甘ったれたこと言ってんじゃないわよ!クラスの子にいじめられる?それくらいで死のうとしてるなら、世界中のいじめを受けた人はみんな死んでるわよ!この気持ちが分からない?分かるわよ!私だって…』
生徒は驚いている。

『あなた以上に辛いひとがこの世界には五万といる!あなたに両親は?』

『…え?あ、います。』
『それなら、なおさら!私は両親に捨てられて、クラスではいじめをうけてた。誰も側にいなくて、死のうと思った。でも、ある先生がこう言って止めてくれた。【死んだら愛すことも愛されることもできないの!それに、世界には今日を向かえられなかった人がたくさんいる。だから、その人たちのためにも生きなきゃいけないの!】って。あなたも今日を、明日を、未来を生きなきゃいけないのよ!死ぬなんて、簡単に言っちゃダメ!私が…あなたを守る。』
いつのまにか、私も生徒も周りにいる先生もみんな泣いていた。
そして、生徒は言った。
『先生…私、生きていてもいいんですか?もう一度やり直せますか?』
私は笑顔で答えた。
『当たり前じゃない!生きなきゃ!明日を向かえられなかった人のためにも!』
『先生…ありがとう。私、生きたい!』
生徒は泣きながら、笑っていた。

その時感じた。


きっと、私じゃなきゃ救えない命もあるのかもしれない。なら、その命の為に私の経験が役に立つのなら、私は話す。



この世界で明日を向かえられなかった人のためにも…
希望を乗せて私たちが生きなきゃいけないんだ。
そうすれば明日に向かって

きっと、飛べる。







END
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