強引男子のイジワルで甘い独占欲


混乱して会話もままならない状態に陥った私に、眞木が言う。
落ち着けないのは眞木のせいだと責めたかったけれど、今の怒りどころはそこじゃないから、動揺する気持ちを落ち着かせるよう努力してから眞木を見た。

「なんでキスしたの?」

直球で聞いた私を見つめながら、眞木はなんてことない顔して答える。
あくまでも普通の表情、普通のトーンの声で、なんでもないみたいに……好きだからじゃねーのと。

あまりに当たり前だろって顔をするから、それに疑問を感じる私の方がおかしいと錯覚するほど眞木の告白は自然だった。

「好きだから……?」
「ああ、そういう意味じゃなくて? じゃあ、したかったから」
「そうじゃなくて!
え……眞木って、私が好きなの……?」

放心状態になりながら聞き返すと、眞木はなんで何度も聞くのか分からないっていう風な表情で私を見る。

「だからそう言ってんだろ。
佐野と話すようになって結構すぐくらいから多分、好きだったんだろ」
「なにその他人目線……」
「俺も誰か好きになんのとか久しぶりだしよく分かんなかったんだよ。
でも、他の女には触られんのも嫌なのに、おまえとは間接キスだろうが直接だろうができるし、したいとも思うしそういう事だろ」
「え、じゃあさっきのキスは気持ちを確認するためにしたって事?」
「確認? まぁ、1%くらいはそうかもしれないけど。ただしたかっただけ」

< 110 / 226 >

この作品をシェア

pagetop