強引男子のイジワルで甘い独占欲


「本当です。この間先輩に聞かれた時はまだ付き合ってなかったんですけど。なんか流れでそんな事に」

あまり詳しく話す必要もないと思って、適当に誤魔化して答える。

もっとも、私が誰と付き合うだとかはプライベートな事だし、いちいち報告する必要なんてないのだけど。
付き合う前からあれだけ噂になってるってなると話も別だ。

誰かに眞木と一緒のところなんて見られたら、この間噂になった時には否定したくせに、やっぱり付き合ってるんじゃないあの女!と変な怒りを買ってしまいそうだから。
それだったら、付き合う事になりましたと私も認めたって事にしておいた方が収集が早いだろうと判断しての報告だった。

執拗に隠したりしたらそれこそ余計に疑われそうだし、眞木と付き合っているのは自分でもまだ不思議ではあるけど事実ではあるし。

こういった、誰と誰が付き合ってるらしいよーなんて噂は最初こそ火がついたように騒がれるけどそれまでですぐに下火になるのは知ってるから先手を打った感じだ。
……まぁそれは、相手が眞木じゃなければの話だけど。

今回の件において、カミングアウトの相手に小谷先輩は適材だし。
きっとうまい具合に社内に広まっていくだろう。

あとは知らない。考えない事にする。

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