強引男子のイジワルで甘い独占欲
散々泣いておいて今更かもしれないけれど。
これ以上迷惑をかけるのもどうかと思って、申し訳なくなりながら視線だけ少し上げて目を合わせる。
眞木隼人は無表情のまま私を見ていた。
「周りに俺がおまえを泣かしてるって思われたところでなにか問題ある?」
「問題あるっていうか……嫌でしょ、なんか」
「俺そういうの気にならないし。
だから別に俺の事は気にしないで泣いてても……ああ、でも後二、三分が限度だけど。
おまえの泣き顔嫌いじゃないけど、いい加減見てるだけじゃ暇だから」
表情をまったく変えるわけでもなくそう言った眞木隼人。
冷たいだとかドライだとか、そういう系の噂はよく耳にしていたけれど。
「あと二分五十秒」
なんだか不思議な人だなという印象がこの日私のデータに加わった。