強引男子のイジワルで甘い独占欲



「佐野、舌出せ」
「……嫌。この変態」
「無理やりこじ開けられるのとどっちがいい?」

選ばせてやると言う眞木に、悔しくって殴りかかろうとして、まだ片手で押さえつけられたままの両手首に気付く。
あまり答えに時間をかけたら本当にこじあけられそうだから、観念してゆっくりと口を開けて……。
そこで数秒止まった後、眞木を見上げた。

顔が熱い。

「無理……」

最悪だ。恥ずかしさのあまり涙が浮かんでいた。
こんなドS男相手に屈服するなんて嫌なのに、この手の事に慣れてない私には眞木の要求はハードすぎて応えられなくて。

悔しくなりながらも涙目で見上げる私に、眞木はふっと満足そうな笑みを浮かべて。
「その顔、すげー好き」とか言いながら唇を合わせた。

そういえば、眞木、私の泣き顔好きだとか言ってたっけ。
やっぱりそういう気質があるんじゃない。この変態俺様ドS男が。

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