強引男子のイジワルで甘い独占欲


「もしそんな事言うヤツがいたら、おまえに謝るまで殴りつけてやるから心配すんな」
「……するよ。私の親戚を殴らないでよ」
「親戚もなにも関係ねーだろ。俺はおまえが傷つけられんのを黙って見てるような出来た彼氏じゃない。
こうじゃなきゃいけないなんていう変な理想も持ってねーし、俺がしたいようにする」

慎司の事を遠回しに言っているのが分かって、思わず苦笑いをこぼした。
頭に乗ったままの眞木の手が心地いい。

「じゃあ、眞木がもし朋絵に惹かれたらすぐに私は振られるわけね……って、ちょっと怒らないでよ。
そっちが先に慎司を比較対象として出したんでしょ」

睨みつけてくる眞木に反論すると、ぐっと頭を枕に埋められる。
苦しいってほどでもなかったけど、暴力反対だと責めてやろうとして……隣にいたハズの眞木の姿が消えている事に気付く。

正確には本当に消滅したわけではなく、私の上に移られたってだけだけど。

うつ伏せのまま背後を取られて、眞木の顔を見る事さえできない。

「俺が木原に特別な感情を持った事なんかないって、本人にも言ったしおまえも分かってると思ってたんだけど……俺の勘違いだったのか」
「だから、分かってるってば。冗談でしょ、冗談」
「そういう冗談は好きじゃねー」
「眞木が最初に言い出したんじゃないっ」
「俺が言ってもおまえは言うな」
「なにそれ、横暴すぎ……ちょ……っ、もう触らないでってば!」
「俺がおまえを好きだって気持ちをおまえに疑われんのは気に入らねーんだよ。
平気で木原に乗り換えるなんて思われんのも」

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