強引男子のイジワルで甘い独占欲
一連の事を頭で整理しながら、それにしたってなんでよりによって朋絵と……と根本的なところに巻き戻って深いため息を落とした。
いとこだからどうのって言うつもりはない。
傷心まっただ中だからか、身近な分、慎司が朋絵ととか考えると色々と若干気持ち悪いなとかいう気持ちは失礼ながらあるけれど、そういう事が言いたいわけでもない。
ただ、親族同士の集まりの時ものすごくどういう顔をすればいいのか分からないって話がしたいだけで。
そう、例えば今みたいに。
「しかしちとせちゃん、キレイになったねー。子どもの頃は男の子に混ざって遊んでばっかりだったからどうなる事かと思ってたけど」
隣に座るおじさんに言われて、はは、と愛想笑いを返す。
今日はおばあちゃんの80歳のお祝いで、親戚20人弱がおばあちゃんの家に集まって食卓を囲んでいる。
私の父親の母にあたるおばあちゃんには、父の他に娘がひとりいて。
それが朋絵のお母さんだから、この回には当然ながらおばあちゃんの孫である朋絵も出席している。
私の隣に座っているおじさんは、つまりは朋絵のお父さんだ。
一人娘の朋絵に、赤ちゃんの頃からずっと目尻を下げっぱなしに正真正銘の……なんていうんだろう。
娘が大好きって造語があるのかは不明だけど、シスコンの例を挙げればドーターコンプレックスで略してドタコンとでも言うんだろうか。