強引男子のイジワルで甘い独占欲



解放されている扉から休憩室に入ると、今日もいつも通り広い部屋にまばらに人が座っていた。

五人しかいないとか、本当に少ない。
もっとお弁当持参しようとする人がいてもいいものなのにこんな状態なのは、社食が安いのが大きな理由だろうな。

おそばとかうどん、カレーライスなら200円以内で食べられちゃうし、一汁三菜がきちんとある日替わりランチだって360円だ。
コンビニで買うお弁当はおろか、もしかしたら家で作るお弁当よりも安上がりかもしれない。

しかも出来立てを食べられるってなれば、理由がない限り社食を食べた方が絶対に得だ。
そう考えるとここにいる人たちってなんなんだろうおかしいんじゃない?とも思うけれど、別にどうでもいいので各々事情があるのだろうと片付けておく。

それに、私だってそのおかしなうちのひとりになるわけだし。

テレビではお昼の情報番組が流れていて、それを眺めながら他の人とは離れてる適当な席に座ってビニール袋の中から菓子パンと野菜ジュース、デザートに買ったプリンを取り出した。


< 51 / 226 >

この作品をシェア

pagetop