手話~僕等のカタチ~
【俺の見てて。】
俺は屋台の照明を背にして、水槽に身体で影を作る。
すると…
金魚がその影にどんどん集まってきた。
金魚は暗い所に集まる習性があるから、こうすると取りやすい。
【どれがいい?】
彼女に聞くと、一匹の赤い、他の金魚よりも少し小さめの金魚を指さした。
よしっ。
器を水面に近づけて狙いを定める。
そして、あまり紙を水に漬けずにヒョイッと金魚をすくった。
「おっ、キミ上手いね~。」
おじさんは感嘆の声を上げ、隣からはパチパチと拍手が聞こえる。