手話~僕等のカタチ~




「俺と…友だちになって。」


気付けば、そう口にしていた。


またも予想外のことを言われて、案の定、笹村はえっ?という顔をしている。



『私なんかが友だちになっていいんですか?』



何言ってんだよ。


その考えは間違ってる。



「俺は笹村だから友だちになりたいんだ。
私なんかなんて言うなよ…

俺は、笹村と友だちになりたい。


…なってくれるか?」



こんなちゃんと友だち申請したのなんて初めてだ。


嫌だって言われたらどうしよう……



だが俺の心配は無用で、


彼女は嬉しそうに笑い、


『はい。』

と声を出さずに、口で答えた。





< 24 / 223 >

この作品をシェア

pagetop