バー恋 ~文字が色を放つ時~
強くなる雨。

「降って来たな、濡れるから……」

 自分の方に引き寄せて、あたしを胸に中に入れた。背の高い翔吾の丁度心臓のあたり。

 翔吾の鼓動が聞こえる。

 耳を当てて聞く心音は、子守唄のように聞こえた。

 人が見たら、あたし達は普通の恋人同士に見えるのだろう。

 愛し合っていて幸せで、何の障害もない……。
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