真紅の空
「則暁くんが死ななきゃ、貴方が死んでた。
仕方なかったのよ」
「……則暁が、死んだ?」
「うん。死んだの」
自分に言い聞かせるように呟いた。
暁斉の体が揺れて倒れそうになるのを支えてやる。
暁斉の体は震えていた。
「暇とは……そういうことだったのか?」
もう耐えられない!こんなの悲しすぎるよ。
暁斉がかわいそう。
ぼろぼろと、理解していく。
もうこの世にはいない則暁くんのことを、知っていく。
「なん、で……どうして則暁は……
そこまで俺に尽くすことないだろう」
「暁斉」
「俺なんかに、なんの価値がある?
こんなやつのために死ぬなんて、バカげている」
「暁斉」
「あいつは阿呆だ。無駄死にしやがって。
誰がそんなことを頼んだ?だいたい―」
「暁斉!」
パシンと、乾いた音が部屋中に響き渡った。
その音を出したのはあたし。
手がじんじん痛む。
暁斉は頬に手の甲を当て、あたしを見た。