儚空--クライソラ--【完】

いちか

___ガタガタ


隣から聞こえる荷物をうごかすような音。



気になった私はカーテンを開けた。




カーテンの向こうには、少女とその母親らしき人物。




その少女と目が合うと、母親も私に気づいたみたいで、私の元にやってきた。



「 となりの 佐伯です〜。この子は一花です。私は母親です。よろしくお願いしま〜す。」


笑顔を振りまく佐伯さん。

隣の少女は、恥ずかしそうに会釈だけした。


「 あ、はじめまして。隣の咲田です。」


笑顔で挨拶して、私はすぐカーテンをしめた。

数時間後、母親が帰ったと思われる。

それほどに静かになったとなり。



私は隣の子と話すために歩いた。


点滴台まで引き連れてるから、私が歩くのは音でわかる。



迷惑かな?






カーテンを軽くたたくと、いちかちゃんはカーテンを開けた。





「 こんにちわ、いちかちゃん。ちょっと話さない?」





頷いたいちかちゃんと、私は病院のソファーに座った。



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