儚空--クライソラ--【完】
「 ゆめー! くれぐれも怪我はするな。あと絶対に死ぬな。

…あと、お母さんを大事にな!」



お父さんが私に念を押すように話す。



今、お母さんは妊娠している。




あと、5ヶ月後赤ちゃんが生まれる。
不安だから、日本で産んで育てるらしい。

赤ちゃんが中学校を卒業するまで。



あー。楽しみだなぁ。


「そういえば、名前決めたのよ。
日本に帰る前にお父さんと決めたの 」


「 なに?なんて名前? 」



「 遥。はる、よ。 」


「なんで遥なの? 」
弟の零が聞く。零は現在中学1年生。


「 遥生まれだし、遥々と広がる空を見てお父さんがね。」


「 いいんじゃない? 」


私たちは笑いながら話した。


「ごめんな。お父さんも日本に行きたかったよ。 」


お父さんは研究所に必要不可欠な存在だ。

今回、研修所が移動した。



ロサンゼルスから、ニューヨークへ。
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