毒舌彼氏と最悪彼女

気分は最高だった。

高校入学当日。
私は某有名商業高校に入学することになった。

入学試験は三教科なのに、総合点80点。
おかしいだろ!と心の中で突っ込みながらもなんとか合格し、待ちに待った高校生活をこの日に迎えることとなる。

前日、高校入学祝いに両親からもらった人生初の携帯電話を握りしめ、桜舞う通学路をゆっくり歩き、どんな子ときゃっきゃうふふなことができるんだろう…!と妄想しながら門を潜った。

周りは知らない子ばっかり。これからどんなことが待ってるのか楽しみで楽しみで仕方なかった。

入学初日、ワクワクする気持ちを落ち着かせて教室へ。
…どんな友達ができるのか…どんなことが待ってるのか、考えるだけでドキドキが止まらなかった。

…が、それから二ヶ月間、私は誰とも話せなかった。
唯一話せたのは、隣の黒人かよって突っ込みたくなるくらい真っ黒な男子。ミルシィで繋がって、同じクラスだってことを知って、気づけば他愛もない話で盛り上がっていた。

…今思えば私がソーシャルネットワークの世界に足を踏み入れたのはこの時が初めてかもしれない。


彼とはなぜか話が盛り上がった。
初めて交換したメールアドレスでお互い毎日連絡し合う。
彼と話している時間は、当時の私にとってかけがえのない時間になっていた。
次第に彼に惹かれて恋をし、付き合うことになるのだが、15日で破局。

初めてのお付き合いだったからかなり凹んだ。
(けどこの別れは別のクラスの女の子たちの仕業だったことを二年後に知る…のはまた別の話)

この時、私が彼に発した言葉、それは…

「あなたがいないんじゃ、私生きていけないよ…」

恋愛は何度だってしたことあるんだけど…付き合ったのはこの人が生まれて初めてだからどう接していいかわからずでてきたのはこの言葉だった。

当然のことながら、彼はドン引き。
そのあと一度も口も聞いてくれなくなってしまった。



なんやかんやで一年を過ごし、私は二年生になろうとしていた。
その時、私に春がやってくる。

< 2 / 17 >

この作品をシェア

pagetop