まんまと罠に、ハマりまして
やっぱり待ちくたびれてたんだ、と、申し訳ない気持ちもあったけど。
それ以上に、


─会えるんだ…


その緊張感の方が勝っていて。


─課長が迎えに来てくれる…


胸の鼓動が、音漏れしそうな程、大きく感じられた。

課長の部屋から、ウチに着くまで確か、20分くらい。
その間も、ギリギリまで目を冷やして、悪あがきのむくみチェック。
やっぱり、


─もっといい状態で会いたかった


と、鏡を見ながらまたげんなり…。
そうしている内に、スマホが鳴って。


「っ、はい、もしもし!」
『着いたよ』
「あ、はい!」
『また。声裏返ってる』
「!」


課長に笑れながら。
私は部屋を出た。










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