×ルームメイトの内緒話×


ドアベルを鳴らすと、2階のカーテンが開き、髪の長い女性……母さんが顔を覗かせる。


彼女の表情は見る見るうちに輝き、その場を離れたかと思うと、すぐにドアが開いた。




「……洸!!! 会いたかった……!!!!」




そして俺は抱きつかれる。


母さんは、"如月洸"に抱きついている。



……最初に、"洸"と呼ばれたとき。


たった一人の家族の母さんに、悲しい顔をしてほしくなくて。


俺は、"洸"になることを決意した。



だけど……。




「違う、母さん。俺は"紺"だ。

 洸はもう……いないんだよ」


< 10 / 46 >

この作品をシェア

pagetop