×ルームメイトの内緒話×


母さんの絡みつく腕を解き、目を見て言う。


彼女の目が少し揺れたのが見えた。



だけどそんな目を閉じ、いっそう笑顔になって俺を室内へ入れようとする。



「……何言ってるの、洸?
 さ、早く中に入って。日本から来たんでしょう?
 疲れてるわよね、紅茶でも……」


「母さん!!」



何、と振り返る母さんは、相変わらず目を閉じていて。


でもその目の端が濡れていることに俺は気づいた。



「……母さん」



言葉は続かないのに、また呼んでしまう。


……とうとう彼女は泣き崩れた。





「……何よ!!!

 あなたが洸を殺したくせに……!!!!」



< 11 / 46 >

この作品をシェア

pagetop