【完】こいつ、俺のだから。
「な、中原っ!!!」
遠くから大きな声であたしを呼ぶ声にハッとした。
見てみると、向こうから楢崎が焦った様子で走ってくる。
「ど、どうしたの楢崎?」
息を切らしてる楢崎はあたしのもとで立ち止まると、その息を整えた。
だけどすぐに顔を上げ、あたしの腕に掴みかかる。
「佐野が、先輩のこと殴って大変なことになってる……!!」
「え……?」
思いがけない言葉に、胸がドクンと音を立てた。