【完】こいつ、俺のだから。



「……おい」



佐野があたしを呼ぶ。



「大丈夫だったか?」



らしくない。あんたがあたしの心配するなんて。




……なんなんだ、ホントに。



『対処頑張れ』とか、人任せなこと言ってたクセに、どうして助けに来たんだ。



調子狂うだろうが、まったく……。




「なんで助けに来たの?」



「は?」



「対処頑張れとか、無責任なこと言ってたクセに、なんであたしのこと助けてくれたの?」



隣にいる佐野を、チラッと盗み見る。



だけど佐野はジッとあたしを見ていたから、盗み見ることもできず、いとも簡単に目があってしまった。



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