引き籠もりの双子の姉を救った俺。





「お母さんとお父さんが
考えるような理由じゃ、ないよ。

だからごめんなさい。言えません」




理由があることを認め、
言えない、と言った。




「私、頑張るから…外に出れるように。

だからお願い…」




消え入りそうな声だったけど、
ふたりは真面目に聞いてくれてた。





「分かった…その言葉、信じるわ。



私たちの力が必要な時は
言ってちょうだい」






私は泣きそうになったので、
誤魔化すようにコクコクと頷く。




その時、広樹が戻って来る足音が
聞こえたので、


何事もなかったかのように、
テレビをつけ、


三人でうどんや蕎麦を食べるのを再開した。






広樹が変な雰囲気を察したのか
不思議そうに首を傾げていた。





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