引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「いやー、聞いてる以上に
おふたり、おアツくいようで…」
数秒間抱きしめ合っていた俺らの背後から
呆れたようなアイツの声。
「ふぇ!?」
「見に来たわけじゃないからな?!
学校に忘れ物して取り」
「たぁーいちっ!」
由紀が太一の身体をくすぐりに行く。
あひゃひゃという太一の笑い声。
「へんっ。
覗きは重罪だからね」
頬を赤くして由紀はそう言った。
さっきまでのしおらしさはどこ行った?
「もー、ゆるじてえぇ」
涙目な太一がギブギブと、地面を叩く。
「せっかくのラブシーンだったのに…
ねぇ広樹くん?」
小悪魔みたいに由紀は笑うのであった。