引き籠もりの双子の姉を救った俺。
帰宅後。
まだ時刻は5時過ぎで、
母さんはパートから帰ってきてない様子だ。
俺は部屋に直行する。
ガチャ。
ドアノブに手を掛けた瞬間、
隣の部屋から、人が出てくる。
…美穂が。
「あ」
「ちょ」
そのまま、部屋に戻ろうとしてる。
「待って」
隣の部屋のドアノブに手を掛け、
引き止めた。
…あー。
何も考えてないのに行動してしまった。
そう、少し後悔しつつ。
「……」
美穂は頬を紅潮させて、
何、とでも言うように見上げてくる。
「…やっぱ、何でもないごめん」
謝るにしても、
きちんと内容を考えてからだ。
今回のチャンスはドブに落とそう
と、踵を返した。