引き籠もりの双子の姉を救った俺。
広樹は心配そうに私を見るが、
ここで緊張なんかしてたら駄目だし、
店員さんにも失礼だ。
私は震えそうになる身体に喝を入れ、
唇をキュッと結ぶ。
「ありがとうございました〜」
袋を受け取ると、私たちは外へ出る。
今日の目標、達成。
「買えたな、服」
「うん、広樹、ありがとう。
…どうする?」
これから、直帰するのか、
それともまだ見るのか。
他人と関わることが無ければ、
私は平気なので。
「う〜ん?
俺別に用事ないし、美穂が良ければ帰る?」
私はそれに頷いた。
ショッピングモールを出て、
駅前を歩く。
…私たち、恋人に見えてたりして?
双子だけどそんなに顔とか似ていないし、
髪色だって若干違う。
そう思うと、急に肩に力が入り、
上手に歩けなくなった。