甘くない現実
甘くない現実
 彼女はいつもふわふわしている。いろいろな意味でふわふわしている。

 天然パーマの髪の毛。
 一緒に遊んでいたはずなのに、気がつくと全く別のところで自分のやりたいことをしているところ。
 意味が通じるようで、全く意味不明な言動。

 ふわふわで、どこか飛んで行きそうで、僕はいつもその手を引っ張って地面に引き戻していた。彼女に頼まれたわけではない。けれども、彼女の一番近くにずっといたから、僕には分かることがたくさんある。そう自負している。

 だけれども現実はそうとも言い難い。それも重々よく分かっている。

 気がつけば同じクラスのやつといい雰囲気だったり、部活の先輩に好意を寄せていたり、勝手に失恋して泣いていたりしている。

 そのたびに僕は、何も言わずにそばで見守っていた。
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