リトライ。
「俺、ちょっと沙奈と話してくるから。また今度な」
私はばっと顔をあげた。
「ちょっと~もう!」
マネージャーの女の子が怒った口調で言う。
しかし陽介は「行くぞ」と言って私の手を引いた。
何も言わず、陽介の後をついていくと、
たどり着いた場所はバスケットゴールのある小さな公園だった。
その公園のベンチに陽介がバッグを置いた時、私は言った。
「あの、邪魔しちゃってごめんね……」
「別に」
陽介はそっけなくとそう答える。
怒ってるかもしれない。
どうやって謝ろう。
しばらく沈黙が流れる。
陽介はバッグから自分の外用ボールを持ってボールをいじっていた。
ちゃんと伝えられるかな。
伝わるのかな。
いざ陽介を目の前にすると言い出すのが怖い。
「あの……っ、陽介」