リトライ。






3年間、彼のバスケを一番近くで見てきた。


一生懸命に練習するところ。

もっとだって目を輝かせるところ。


すごいプレーを見て真似してみるところ。


その全てが大好きで溢れていた。


ねぇ、陽介。

もう一度。


大好きに溢れたそのプレーを見せてよ。


「陽介!!!」


私はめいいっぱい息を吸い込み、大きな声で陽介の名前を呼んだ。


周りのみんなが驚きの表情で私を見る。


うつむいていた陽介が顔を上げ、こっちを見た。


お願い、伝わって。


今までずっと陽介が私の背中を押してくれた。


前を見ろって、うつむくなって、教えてくれた。


だから。

今度は私の番だ。


「陽介、前向いて!!

陽介のプレー、見せてよ!!」


私の応援が力になったって彼は言っていた。








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