リトライ。
「沙奈、お前はゼッケン9番だ」
9番のユニホームを背負って初めて出た試合は今でも忘れない。
キラキラしていた。
めいいっぱい走って苦しくなっても、
やっぱり心は楽しんでいて、シュートを決めた時、すべてが報われた気がした。
ーーピ、ピー!
心地よく鳴る笛。
息を切らして、汗がぽたりぽたりと落ちていく中、得点板は私たちの勝ちを示している。
勝った。
頑張ればちゃんと、努力は報われるんだ。
試合の後、応援席に向けてしっかりと頭を下げた。
”ありがとうございました”
大きな声が響く。
それはこれからも頑張るという誓いであった。
【新人戦、優勝したよ!】
光ちゃんには時々メールをしたけれど、返事がかえってくることはなかった。
辞めてしまった後ろめたさからか、私のことを少し避けているような感じもした。