リトライ。



「よろしく!」


私も笑顔でそう言った。

それから約2時間半の練習は終わり、ストレッチをしてコーチに挨拶をすると、解散になった。

使った器具の片づけを行うために、男バスの方のコートに向かい、倉庫にしまう。

すると、陽介が私の肩を叩いた。


「もうすぐ終わるから一緒に帰ろうぜ」

「えっ」

「着替えたら行くから校門で待ってろよ?」


なんで私が陽介と一緒に……?

なんて返す間もなく彼はそれだけを残して更衣室に消えて行った。


「もう、なんでも勝手に決めて……」


いっつもそうだ。

気づけば彼のペースになっている。


「へぇ、沙奈ちゃん彼氏いたんだ」


すると、私の後ろからにょきっとまはるちゃんが出てきた。


「わっ……!」


突然の登場に驚きつつも、私は慌てて否定した。


「アイツはそんなんじゃないから!」

「え~だって一緒にかえるんでしょ~?いいな、まはるもそんな人欲しい~」


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