first love~世界で一番素敵な初恋~
「西園寺様にタメ口で話す方なんて……」
「お前が同い年のくせに俺に対して様付けで呼んだり、タメ口で喋れねぇのは、俺を西園寺財閥の後継者としか見てないからだろ。」
「そんなこと…………」
「俺の初恋は、俺を西園寺龍我として見てくれた唯一の女だ。
お前なんかと一緒にすんじゃねぇ!」
「でも、だからといって、何で婚約者が島崎唯那なの?
あの子は庶民じゃない!鵬龍学園と何も関係ないじゃない!」
「それは今の話だ。
幼稚舎の頃は鵬龍学園に居た。………佐倉唯那としてな。」
「……………佐倉唯那。あの子が??」
「あぁ。俺はあいつの名前を一度たりとも忘れたことがねぇ。
この12年間、ずっと探してきた女だからな。
俺はあの時から唯那しか見えてねぇ。」