first love~世界で一番素敵な初恋~


「…………本当にどこでもいいの?」


「あぁ、そう言ってるだろ?」


「……………じゃあ私、東京来たことなくて知らないから西園寺のオススメの所、連れてってくれない?」


私は茨城に居た頃はずっと部活漬けの毎日だったから、東京に来たことがなかった。
西園寺なら色んな所を知ってると思ったから西園寺に任せた方がいいと思った。


「そんなんでいいのか?」


私が言ったことが庶民的なのか、西園寺は驚いていた。


「え、だめだった?」


「だめじゃねぇけど。
……………唯那は本当に何も望まないんだな。」


「これでもいっぱい望んでるつもりなんですけど。」


私にとったら東京を巡るなんてとても贅沢なこと。
茨城から電車で遠いし、それに違う世界のような気がしたから。


だから、東京でいいんじゃなく、東京がよかった。


「じゃあ、考えておくから楽しみにしとけよ。」


「うん!」



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