ラベンダーと星空の約束+α
 


今回司会を頼まれている亀さんは、2人のシャワー中、準備の為に外に出ていて、


たく丸君も

「集まっている招待客に、お祝いコメント貰ってくる」

と、ビデオカメラ片手に、亀さんと一緒に出て行った。




大ちゃんが絶句するくらい美しい、紫ちゃんのウエディングドレス姿は、

澄み渡る青空の下のラベンダーの丘を背景にすると、僕も言葉を失うくらいに綺麗だった。



彼女の着ているAラインのドレスは、裾の後ろが少し長くなっている。



胸元にはふんだんにレースが使われ、

「小さい…」と彼女が気にしている胸元に、ボリュームを与えてくれる。



胸元はレースが沢山付いているけど、それ以外はレースもフリルも控え目で、全体的にシンプルな印象のドレス。



でもその分、豊かに広がる純白の生地の光沢が太陽の光りに映え、彼女の美しさをより際立たせてくれる。





会場はラベンダー畑の前の、白樺並木の一角。



木漏れ日の美しい草地の上に、白いガーデンテーブルが11個配されていた。



そのテーブル上には、シャンパングラス。

琥珀色の液体が、炭酸の気泡を上らせながら、出番が来るのを待っている。




ワッと沸き上がる歓声の中、笑顔の新郎新婦が腕を組んで進むのは、

白やピンクや水色や…沢山の色の花で飾られた、アーチ型の門。



花の門は、近所の花農家さんからのプレゼントだそうだ。



ちなみに紫ちゃんのブーケも、同じ人からの贈り物。

白と薄紫色のオールドローズで作られた、彼女らしい色合いのブーケだった。




門を潜った2人は、白樺の木々とガーデンテーブルの間を抜け、

ラベンダーの丘を背景に、花いっぱいのテーブル前に立つ。




澄んだ青空と、綺麗な景色。

拍手と歓声に、嬉しそうに笑顔を見せる2人。




初めは
「えー自分の家でやるの〜?」
なんて思ったけど、こういう結婚式もいいかも。



あったかい雰囲気で、気取ってなくて、僕は好きだよ。



ステンドグラスの美しい教会も似合うと思ったけど、やっぱりラベンダー畑の中が、一番2人らしい。



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