ラベンダーと星空の約束+α
 


そんな事を考えていると、「キャー!」と歓声が背後に湧いて、僕の頭に固い何かが命中した。



「痛っ!何だよもう…」




振り返り、頭に激突して落ちた物を見ると、紫ちゃんのブーケだった。



ブーケって沢山の花を束ねてあるから、思った以上に重量あるし、手に持つ部分なんてカチカチで固いんだよね。



ぶつぶつ言いながらブーケを拾い上げると、ドレスの裾を掴み、歩き難そうに紫ちゃんが近付いてくる。




「ブーケトスしてたんだ!

瑞希君の所に飛んで行ったって事は、次にお嫁に行くのは瑞希君だね!

ウフフッ」





「ウフフ」じゃないよ!

やっぱり僕の事、男だと思ってないんじゃん!



みんなして何なのさ!



最近は、女の子より男に言い寄られて「うえっ」て感じだし、

新宿ニ丁目のお店にスカウトされるし…



僕は男!スカートが似合っても、髪が長くても、女の子が好きな立派な男だよ!



もうー、どこかに僕の全てを受け入れてくれる女の子いないのー?



僕だって、幸せを掴みたいんだよー!





 ***

僕の出番はこれで終わり。

みんな今まで“僕の”応援、ありがとねー!

次のショートストーリーは、青空君が語ります。

姉夫婦に、物凄く言いたい事があるらしいよ〜




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