JUNK LAND【→】

事態等飲み込めようはずはない。

とうにクレアの想像や期待、思惑等通り越していたのだから。

しかしそれは、クレアの心に“魔”が居着いた瞬間でもあった。

赤く彩られたグラウンドとノーラ。

小気味良い感覚が全身に込み上げ、予想外のノーラの姿にクレアは酔いしれた。

虚ろな瞳は勝者に向けられた敗北の眼差しである。

初めて手にした“優越感”

その余韻を胸に、クレアは卒業を前に学校から姿を消し、スティッチは何事もなかったかの様にビニール手袋を外して実験室を去った。


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