青く、高く、潔く

壁の両側には……裸になった背の高い木々が…見える。

それから、日の丸を掲げた観客も…沢山いる。


1つ、エアーを繰り出すと…。

何処からともなく、ヒュウウっ!と指笛が…鳴って。

気持ちを…ハイにさせた。


出来る確信なんて…、ない。
どう構えたらいいのかなんて…、今さら、考えようもない。

けれど、今――…

板が…これだけスムーズに…滑ってくれる。



まるで…羽がついたかのように。

オーリーした身体が……ふわり、と宙に舞った。



キャブダブルフォーティー。


これまで、公式戦では経験したことのない…未知の世界が。そこに……待っていた。






< 117 / 152 >

この作品をシェア

pagetop