ツンデレ彼氏をデレさせろ。



ーそれから、しばらくして、
遼が、バイクの免許を取って、
報告しに行った直後、
その報告を待っていたかのように
玲奈は息を引き取った。ーーーーー




ーそれから、1年半後の今。



ようやく、玲奈のことを
思い出として語れるようになった。



だけど、俺は、未だに玲奈との
約束を守れていない。ーーー



むしろ、俺が先に“朔”という
愛しい存在を手に入れてしまった。



ー本当は、気付いているんだ…。
一年以上経って、ようやく、
遼も前を向けるようになった。
玲奈以外に、好きな人ができた。




その相手が、
朔だったーーーなんて。



本当に笑えない。
幼馴染みで親友だと
思っている人間と、
同じ人を好きになるーーーなんて。



それに気付いたのは、
付き合ってすぐ、ぐらい。
ーだけど、その頃既に俺は、
後に引けない程、
朔を好きになっていた。




でも、そりゃ、そうだろう。
あんなに、一途で、一生懸命で、
周りが見えなくなってまで、
真っ直ぐだから。



朔に
惹かれるのも、無理はないんだ…。



ーでも、遼は、その気持ちを
俺と朔に隠そうと必死だ。
見てれば一目瞭然だ。



遼は、朔のことが、
好きなハズ、ーなのに、
遼は、朔を奪うーというか、
一緒にいたいという気持ちが
全くと言っていい程無い。



むしろ、俺たちの仲が深まることを
望んでいるし、
進展まで待ってる始末…。



ーそれは、何故なのか。
今の俺には、
全くわからなかった。ーーー



遼が心から望んでいることは
今は、わからない、だけど。
遼の朔に好意を持っていないという
必死な嘘に、
今日も俺は甘えるんだ。



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