風俗

以前からコンビニで見かけては気になっていた求人雑誌があった。
それは「高収入求人情報誌」と書かれていた。
私は、その本を購入すると、家に帰ってから、部屋で読み漁った。

「高収入求人」いわゆるキャバクラや風俗である。

キャバクラでは、仕事が終わった後にやるには、ハードすぎるし、お客に電話で営業をかけたりして大変だ・・・と、店に来ていた、ホステスをしている女の子から話を聞いたことがあったので、私は風俗の仕事を始める事にした。

翌日、求人情報誌に載っていた風俗店に電話をした。

正直なところ、風俗が、どこまで、どんなサービスをするのか、よく、わかっていなかった。性的なサービスである事は、わかっていたけれど、何をするのか・・・

電話に出た風俗の店員は元気良く店の名前を言って電話に出た。
あまりの、普通さに、少し戸惑う・・・

「あの、求人情報誌を見たんですが」

「有難う御座います!失礼ですが年齢はいくつですか?」

「はい、23歳です」

「お仕事の経験はありますか?」

「いえ、初めてなんですが、お聞きしたいのですが、お仕事では全裸ですか?」

「えーっと・・そうですねぇ。お洋服は全部、脱いで頂きます」

「どこまでのサービスをするんでしょうか?」

「基本、本番はないので、手や口を使ったヌキ行為までですね」


本番はない=セックスはしない。

ヌキ行為=男の射精行為。

この言葉に、妙に現実味が沸いてしまって怖くなった。
そして1度、少し考えますと言って、電話を切った。

やると決めたハズなのに。怖かった。
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