先生との付き合いが半年を過ぎ、私が中学2年になる頃、
私は学校には行かなくなってしまう。

家はいつもどうりの時間に普通に「いってきます」と出るけれど
行き先は学校ではなく、先生の家だったから。

先生から家のスペアキーを貰い、私は先生の家で
奥さんの真似事をして過ごす。これが日常となってしまったのだ。

毎日TVを見て、先生の洗濯をして、部屋の掃除をして
先生の狭い1Rのアパートで先生の帰宅を待つ。

先生からは、必ず、毎日の課題として
教科書を読み、最低限の勉強を独学でやるようにと言われていたから
それは、仕方なくやった。

夕方すぎ先生が帰宅すると、たあいもない話を1時間くらいしたり
セックスしたりして私は家に帰る。

当時、私の家には門限があって、それが夜の7時だったし外泊も一切禁止だったので
先生が帰宅してから1時間も一緒に居れればいい方だった。

13~14歳の子供にしてみりゃ、
これと言って、何かに、もまれる訳でもなく
無理に勉強する訳でもなく、
何かに規制されたり拘束される訳でもなく
友達に好かれようと努力をする必要もないし、
誰に気を使う事もない。

楽しくて楽しくて仕方がなかったかもしれない。

学校には、出席を取るだけのために月に1~2回ほどは行くにせよ
出席だけ取ったら、早退したし、修学旅行も先生が一緒だから仕方なく行った。

全ては先生と過ごす時間だけで満たされていた中学生時代だった。

けれど私は、中学校と言う3年間、友達と遊び、笑い、悦び、怒り、嘆き、悲しみ、ケンカ、悩み・・・そんな、ごくごく当たり前の事をしていなかった。

だから、先生が私の元を去った中学3年の秋・・・

私の周囲には、友達と呼べる人間が誰1人としていなくなっていた。

つるんでいた子達も私と過ごしていなかった空白の時間が長すぎたせいもあって
私は会話にまったく入ることが出来ない。

日々が、しんどい・・・。

私にとって、学校は非常に居心地の悪い場所になってしまった。


私は中学3年の冬から卒業するまでの期間、
完全な不登校となり、義務教育だから、形だけの卒業証書を貰った。
< 8 / 63 >

この作品をシェア

pagetop