君とさよならの時間 ~大好きの涙~
「ま、頑張りたまえ。尋よ」
王様みたいに言う峻司に、俺は思わず笑ってしまった。
「お前には似合わねぇよ」
「笑うなんて失敬な。我を誰だと思ってるのじゃー」
まだ続けるのか。おい。
「峻司は峻司だろ?」
「様がないではないか。峻司様と呼べー」
「はいはい。峻司様ね」
「よろしい」
いつまで続けるんだよ。この王様ごっこは。
「じゃ、俺帰るから」
「え、もう帰んの?」
あ、終わったのか。王様ごっこ。